マクロスΔとマクロスF、両作品を考察する

マクロスΔの面白さ

前作より7年目に登場の新作

マクロスシリーズといえば、日本のアニメ史においてその歴史を30年以上続かせている往年の作品にあたります。ロボット的なものは登場するものの、今シリーズより前に誕生した機動戦士ガンダムシリーズとはまた違った展開には初期作の『超時空要塞マクロス』から高く評価されている。またガンダムと違い、マクロスの特徴は元来からテーマをきちんと定めて踏襲して展開しているのも良いポイントだ。時折若干離れていないかと思う人はいると思いますが、初期作から現在放送されている最新作まで共通しているのが、『メカ・歌・三角関係』の三要素です。人間が摂取しなければならない三大栄養素みたいなものと同等に、マクロスを語る上で外してならないところだ。

メカと歌はともかく、三角関係というだけでかなり生々しいですが、そこまでドロドロしているわけではないのでご安心を。筆者もまだマクロスを知らなかった頃、三角関係ってなんだろう的に見て調べて知った時は結構衝撃を受けたものだ。今となってはなくてはならないものとして見れるので、よっぽどトラウマを抱えている人でも無ければ面白いポイントと語れます。

シリーズの人気は高く、今年2016年にはテレビアニメ4作目となる新作『マクロスΔ』が2016年4月期より放送開始された。今放送を楽しみにしていた人も多い、かくいう筆者も2016年7月末現在まで視聴し続けている。個人的にマクロスを知り始めたのは『マクロス7』からになるが、本格的にハマりだしたのは『マクロスF』からだ。意外と前作からマクロスが大好きになった、という人も多いのではないでしょうか。

そんな最新作として絶賛放送中のマクロスΔ、今作の魅力と特徴を考察込みで紹介していこう。

意外なほどに

最初に、といきたいところですが1つ触れておきたい話題があります。新作アニメとして放送されているマクロスΔですが、気づいている人もいると思いますが『シリーズを通してテレビアニメは4作目』という点だ。30年以上も前からマクロスの存在は認知され、アニメ市場やオタクたちの間でも話題を博しているものに違いないのですが、まだ4作目というのが意外なポイントかもしれません。メカを主軸に展開しているガンダムはこれまでに20作品近くを世に送り出している。それなりに追ってはいますが、たまに『あれっ、この作品いつ放送したっけ?』と迷うこともある。

その点ではマクロスΔは4作目とあって、覚えやすいといえば覚えやすい。『もう4作』、『まだ4作』かとどのように受け取るかはその人自身に寄ると思いますが、下手に作品の世界観を誇張せずに往年の伝統を守り続けた状態で描写される作画などはやはり見ていて面白い。

しかしこれだけの人気なのにどうしてまだ4作目なのかというと、これまでシリーズとして発表されてきたマクロスシリーズは全部で『7作』だ。残り3作はどうしたのかというとOVAシリーズとして発売されているので、テレビアニメの枠には当てはまらないのだ。ちなみにどれがどのように展開しているのかというと、

  • 1作目:超時空要塞マクロス - テレビアニメ・OVA・劇場版など
  • 2作目:超時空要塞マクロスⅡ-LOVERS AGAIN- - OVA・小説・漫画
  • 3作目:マクロスプラス - OVA・劇場版・小説・漫画
  • 4作目:マクロス7 - テレビアニメ・OVA劇場版など
  • 5作目:マクロスゼロ - OVA
  • 6作目:マクロスF - テレビアニメ・劇場版・漫画など
  • 7作目:マクロスΔ - テレビアニメ

このようになっています。

一概に断言できない部分はありますが、これまでマクロスのシリーズでテレビアニメとして放送された作品は例外なく、必ず劇場作品が制作・公開という手順を踏んでいる。ただこれにもちょっと違いがあって、マクロスFの場合はテレビと劇場作品では話の展開や設定が異なる部分が多い、同一の作品でありながら独立した派生作品となっている。最初見た時は、なんでこんな展開になっているんだろうと劇場で頭にクエッションマークが立ったものです。マクロスΔが劇場作品になるかどうかはわかりませんが、今後の展開次第では十分可能性は高そうだ。

発表は2014年から

マクロスΔの存在が公に告知されたのは去年の秋頃からだ。番組タイトルも発表されて今後の展開も待ち遠しいと思われていたものの、実は正式な公式発表はこれより更に1年以上も前に行われていました。2014年3月、当時再放送されていた前作アニメマクロスFの最終回が放映された直後に、告知として『マクロスシリーズの新作発表』、これこそΔが表に出てくる次作だとされたのです。あれから2年近く経過しているだけに、どんな内容になるのか楽しみにしていたものだ。あれから2年、そう考えると随分前から知っていたのに、気づけば時間がそんなに経過していたのかと驚きもした。

面白い試み

新作として発表されたマクロスΔですが、今作はこれまでになかった新しい試みがもう一つ取り入れられています。それは主人公率いる味方陣営と、敵対する敵陣営とではそれぞれキャラクターデザインを担当する人が異なっているという点だ。本来、キャラクターデザインをする人は通常のところ1人が原則です。複数人のデザイナーが入るとキャラのビジュアルが一種の形状崩壊を起こしてアンバランスになってしまうためだ。

かなり大胆かつ挑戦的な取り組みといえますが、そこまで難しいことはなかったといえます。

マクロスのキャラデザといえば

マクロスシリーズの話をしていると、往年のファンが語るやっぱりマクロスのデザインといえば『美樹本晴彦』さんを思い出す人も多いでしょう。マクロスシリーズにも初期作から制作スタッフの一人として加わっていましたが、マクロス7以降からは制作スタッフから離脱している。囲碁に発表されるマクロス作品については、批判的な意見を口々にする人も多く見られるのでよほどそのイメージが強い人が多いのでしょう。

そこのところはなんとも言えない部分はありますが、要するにマクロスらしさを語る上は美樹本晴彦さんの存在は欠かせないと考えている人も多いようだ。事実、最初期に発表されたマクロスΔのビジュアルを見て、これじゃないといった声を耳にした人もいるでしょう。個人的には面白ければいいだろうと考えていますが、中々寛容に受け入れられない点とも言える。

人気がないかというと

放送開始前から物議を醸していたマクロスΔ。ではそれに準じた人気しか得られていないのかといえば、そんなことはない。というよりは、むしろ4月の春アニメで見ればかなり人気が高いほうだ。誰も見ていないというよりは、既に放送が始まることが告知された当初から注目されており、どんな内容になるかが議論されていたほど。シリーズ独自が設定している固定の要素を逸脱すること無く、丁寧に準じるとした点も大いに影響しているでしょう。